フェイスラインのたるみが気になり始めたけれど、切開するフェイスリフトには抵抗がある――そんな方に選ばれているのが「糸リフト(スレッドリフト)」です。特殊な医療用の糸を皮膚の下に挿入し、物理的にたるみを引き上げる施術で、メスを使わずにリフトアップ効果が得られます。
糸リフトは切開手術に比べてダウンタイムが短く、施術時間も30分〜1時間程度と手軽に受けられることから、美容医療初心者からも注目を集めています。ただし、糸の種類や挿入本数、クリニック選びによって仕上がりが大きく変わるため、事前にしっかり知識をつけておくことが大切です。
この記事では、糸リフトの仕組みや期待できる効果、持続期間、ダウンタイム、費用の目安まで詳しくまとめました。施術を検討している方はぜひ参考にしてください。

糸リフト(スレッドリフト)の仕組み
糸リフトは、コグ(トゲ)やコーン(円錐状の突起)がついた医療用の糸を、こめかみ付近から皮膚の下に挿入し、たるんだ組織を物理的に引き上げる施術です。挿入された糸のトゲが皮下組織に引っかかることで、リフトアップ効果が生まれます。
さらに、糸が体内で吸収される過程で周囲の組織にコラーゲンの生成が促進されるため、リフトアップだけでなく、肌のハリや弾力の改善にもつながります。このコラーゲン生成効果は、糸が完全に吸収された後もしばらく持続するとされています。
糸リフトに使われる糸の種類
糸リフトにはさまざまな種類の糸が使われており、代表的なものは以下のとおりです。
- PDO(ポリジオキサノン):吸収期間が約6〜8か月。比較的早く溶ける素材で、引き上げ力はマイルドです
- PCL(ポリカプロラクトン):吸収期間が約24〜36か月。長期間にわたってコラーゲン生成を促します
- PLLA(ポリ-L-乳酸):吸収期間が約18〜24か月。コラーゲン刺激効果が高く、持続力に優れています
どの糸を選ぶかによって効果の持続期間や仕上がりが変わるため、カウンセリングの段階で糸の種類と特徴について医師にしっかり確認することをおすすめします。
糸リフトで期待できる効果
たるみの改善・フェイスラインの引き上げ
糸リフト最大のメリットは、ほうれい線やフェイスライン、頬のたるみを物理的に引き上げる効果です。施術直後からリフトアップ効果を実感できるケースが多く、横顔のシルエットがすっきりします。
肌のハリ・弾力アップ
糸が吸収される過程でコラーゲンの生成が活発になるため、肌にハリと弾力が戻ります。毛穴の引き締め効果を感じる方もいます。
小ジワの改善
たるみが改善されることで、皮膚が伸び、目元や口元周辺の小ジワが目立ちにくくなる効果も期待できます。
糸リフトは「引き上げ効果」と「コラーゲン生成効果」の二つの作用によって、施術直後から徐々に変化を実感できる施術です。ただし、大幅なたるみや皮膚の余りが多い場合は、切開リフトのほうが適している可能性もあるため、医師と相談して判断しましょう。
糸リフトの持続期間
糸リフトの効果がどのくらい持続するかは、使用する糸の種類と挿入本数によって大きく変わります。一般的な目安は以下のとおりです。
- PDO糸:約6か月〜1年
- PLLA糸:約1年〜2年
- PCL糸:約2年〜3年
ただし、コラーゲン生成による肌質改善の効果は糸が溶けた後も数か月〜半年ほど持続するとされています。また、定期的に施術を繰り返すことで、コラーゲンの層が蓄積され、より長い効果が期待できます。
生活習慣も持続期間に影響します。紫外線対策やスキンケアの徹底、バランスの良い食事を心がけることで、施術の効果を長持ちさせることができます。

糸リフトのダウンタイムと経過
糸リフトは切開手術と比べてダウンタイムが短いのが特徴ですが、まったくないわけではありません。施術後に起こりうる症状と経過の目安を紹介します。
施術直後〜3日目
腫れや赤み、軽い痛みが出ることがあります。口を大きく開けたり、笑顔を作ったりすると突っ張り感を覚える方が多いです。痛み止めを処方してもらえるクリニックがほとんどですので、過度に心配する必要はありません。
4日目〜1週間
腫れはかなり引いてきます。内出血が出た場合は黄色っぽく変化しながら1〜2週間で消えていきます。メイクは翌日〜3日目から可能としているクリニックが多いです。
2週間〜1か月
突っ張り感や違和感は次第に和らぎ、自然な表情を作れるようになります。この頃には仕上がりが安定し、本来の効果を実感できます。
ダウンタイム中は、施術部位を強くこすったり揉んだりしないようにしてください。また、激しい運動や飲酒は腫れを悪化させる原因になるため、1〜2週間は控えましょう。就寝時は仰向けを心がけ、横向きやうつ伏せ寝は糸のずれにつながるリスクがあります。
糸リフトの費用相場
糸リフトは自由診療のため、クリニックによって料金設定が異なります。費用の目安は以下のとおりです。
- 1本あたりの価格:10,000〜50,000円程度
- 両側で6〜10本挿入する場合:100,000〜500,000円程度
大手チェーンのクリニックでは1本あたり20,000円前後で提供しているところもあり、本数によってはトータルで10万円前後から施術を受けられるケースもあります。一方、糸の品質にこだわるクリニックや、技術力の高い医師が担当する場合は1本あたりの単価が高くなる傾向があります。
費用を比較する際は、糸1本あたりの価格だけでなく、麻酔代や初診料、カウンセリング料が含まれているかどうかも必ず確認しましょう(参考:糸リフトの費用相場と効果の持続期間(global-beauty-clinic.com・サイト終了))。
糸リフトのリスクと失敗しないためのポイント
起こりうるリスク
- 糸が皮膚から透けて見える・触れる
- 左右非対称になる
- 引きつれやディンプル(えくぼ状のくぼみ)が残る
- 感染症を起こす
- 期待したほどの効果が得られない
失敗を避けるためのクリニック選び
リスクを最小限に抑えるためには、クリニック選びが最も重要です。以下の点を確認してください。
- 糸リフトの症例数が豊富な医師が在籍しているか
- 使用する糸の種類やメーカーを明確に説明してくれるか
- カウンセリングで希望と現実的な仕上がりのすり合わせを丁寧に行ってくれるか
- アフターフォロー体制が整っているか
日本美容外科学会(JSAS)の認定医や専門医が在籍しているクリニックを選ぶと、技術面での安心感があります(参考:日本美容外科学会 公式サイト)。

糸リフトが向いている人・向いていない人
向いている人
- ほうれい線やフェイスラインのたるみが気になり始めた方
- 切開手術はまだ早い、または抵抗がある方
- ダウンタイムを短く抑えたい方
- 肌のハリや弾力も同時に改善したい方
向いていない人
- たるみの程度がかなり進行している方
- 皮膚の余りが多い方(切開リフトのほうが効果的)
- 永続的な効果を求めている方
- 金属アレルギーがある方(一部の糸に影響の可能性あり)
糸リフトと他の施術との違い
糸リフトは「切開リフト」と「HIFU(ハイフ)」の間に位置する施術と考えるとわかりやすいです。
- HIFU(ハイフ):超音波でたるみを改善。メスも針も不要だが、効果は糸リフトよりマイルド
- 糸リフト:物理的に引き上げるためHIFUより効果を実感しやすい。ダウンタイムも比較的短い
- 切開リフト:最も強力なリフトアップ効果。ただしダウンタイムが長く、費用も高額
HIFU→糸リフト→切開リフトの順に、効果もダウンタイムも大きくなるイメージです。現在の肌状態や求める仕上がり、許容できるダウンタイムに合わせて選びましょう。
糸リフトに関するQ&A
Q. 糸リフトは何本くらい入れるのが一般的?
A. たるみの程度や部位にもよりますが、両側で6〜10本入れるのが一般的です。頬とフェイスラインを中心に、左右バランスよく挿入していきます。本数が増えるほどリフトアップ効果は高くなりますが、その分費用も上がるため、予算と希望を医師に伝えた上で相談してください。
Q. 糸リフトの施術は痛い?
A. 局所麻酔を行うため、施術中の痛みはほとんどありません。針を刺す際にチクッとした感覚がある程度です。痛みが心配な方は、笑気麻酔や静脈麻酔を併用できるクリニックを選ぶと安心です。
Q. 糸リフト後にHIFUや他の施術を受けても大丈夫?
A. 糸リフト後1か月程度経過すれば、HIFUやレーザー治療などの施術を受けられるケースが多いです。ただし、クリニックや使用した糸の種類によって見解が異なるため、必ず施術を受けたクリニックに確認してください。
Q. 糸リフトは何回まで繰り返せる?
A. 糸リフトは基本的に何回でも繰り返し施術が可能です。吸収性の糸を使用している場合、前回の糸が溶けた後に再度挿入する形になります。繰り返すことでコラーゲンが蓄積され、より効果が持続しやすくなるとされています。
Q. 施術当日のメイクや洗顔はできる?
A. 施術当日のメイクは控え、洗顔は翌日以降に行うよう指導するクリニックが多いです。シャワーは当日から可能ですが、入浴は2〜3日控えるのが一般的です。詳細はクリニックの指示に従いましょう(参考:TAクリニック 糸リフト施術ページ)。
まとめ
糸リフトは、メスを使わずにたるみを改善できる美容施術として、幅広い世代に支持されています。物理的な引き上げ効果に加えて、コラーゲン生成を促す美肌効果も期待できるのが大きな魅力です。
費用は1本あたり10,000〜50,000円程度で、本数やクリニックによって総額は大きく異なります。持続期間は糸の種類によって6か月〜3年と幅がありますので、自分のライフスタイルに合った糸を選ぶことが大切です。
切開リフトに比べてダウンタイムが短い分、効果もマイルドな側面はありますが、定期的なメンテナンスで若々しいフェイスラインを維持している方も多くいます。まずはカウンセリングで自分の肌状態に合ったプランを相談してみてください。


