「寝ても目の下の影が消えない」「疲れてる?と毎回聞かれるのがしんどい」「コンシーラーを厚く塗るほど、かえって目立つ気がする」。目の下のクマは、メイクでごまかしきれなくなった時点で本気で調べ始める方が多い悩みです。
クマ取りと呼ばれる施術には複数の種類があり、自分のクマのタイプに合っていない施術を選ぶと、費用をかけても変化を感じにくいということが起こります。
この記事では、クマのタイプごとの考え方、代表的な施術と費用の目安、ダウンタイムとリスク、そしてクリニックを選ぶときに確認すべき点を整理します。順位付けはしません。ご自身の条件に合うかどうかで判断するための材料としてお読みください。

クマには種類がある。手術で対応できるのはどれか
目の下のクマは、見た目が似ていても原因が異なります。大きく3つのタイプに分けて考えるのが一般的です。
| タイプ | 主な原因 | 主なアプローチ |
|---|---|---|
| 黒クマ(影クマ) | 眼窩脂肪の突出やたるみによる凹凸の影 | 脱脂や脂肪注入などの外科的な施術 |
| 青クマ | 皮膚が薄く、下の血管が透けて見える | 血行や皮膚の厚みへのアプローチ。生活習慣の見直しも関係する |
| 茶クマ | 色素沈着。摩擦や紫外線の影響 | スキンケアや外用薬、レーザー等の検討 |
いわゆる「クマ取り」として案内される外科的な施術は、主に黒クマ(影クマ)に対応するものです。青クマや茶クマが主体の方が脱脂の手術を受けても、期待した変化を感じにくい可能性があります。
自分のタイプを簡単に確認する目安
- 上を向いたとき、あるいは皮膚を軽く引っ張ったときに影が薄くなる → 黒クマの要素が強い
- 皮膚を引っ張っても青みが残る → 青クマの要素が強い
- 皮膚を引っ張ると茶色い部分も一緒に動く → 茶クマの要素が強い
ただしこれはあくまで目安で、実際には複数のタイプが混ざっていることがほとんどです。最終的な判断は診察で医師が行います。
クマ取りの代表的な施術
経結膜脱脂(けいけつまくだっし)
下まぶたの裏側(結膜側)を数ミリ切開し、突出している眼窩脂肪を必要な量だけ取り除く方法です。皮膚を切らないため、顔の表面に傷が残りません。クマ取りとして最も広く行われている施術のひとつです。
脱脂+脂肪注入
脱脂だけでは、脂肪を取ったあとに凹みが目立つケースがあります。そこで、自身の体から採取した脂肪を目の下の凹んだ部分に注入し、段差をならす方法が組み合わされることがあります。脂肪の代わりにヒアルロン酸を用いる場合もあります。
ハムラ法・裏ハムラ法
脂肪を取り除くのではなく、突出した眼窩脂肪を凹んでいる部分に移動させて平らにする方法です。皮膚側から行うハムラ法と、結膜側から行う裏ハムラ法があります。たるみが強い場合には皮膚の切除を伴う術式が選ばれることもあります。
切らない選択肢
手術に踏み切る前に、ヒアルロン酸注入で凹みを埋める、外用薬でスキンケアを見直すといった方法が提案されることもあります。持続期間や適応は方法によって異なります。
「クマ取り」という同じ名前でも、脱脂のみなのか、脂肪注入まで含むのか、ハムラ法なのかで内容も費用もまったく違います。カウンセリングでは術式の名前を必ず確認してください。
確認した術式名や見積もりの内訳は、ノートに書き留めておくと複数のクリニックを比べやすくなります。

費用の目安
クマ取りは美容目的の施術であり、健康保険は適用されず全額自己負担となります。眼瞼下垂など機能的な問題があって保険診療の対象になるケースは、これとは別の枠組みです。
費用はクリニックと術式によって大きな幅があり、ひとつの相場として示すことはできません。経結膜脱脂の単独でも、10万円台の案内から50万円前後の設定まで開きがあります。脂肪注入を組み合わせる場合やハムラ法はさらに高くなり、100万円近い設定を掲げる施設もあります。同じ術式名でも施設によって金額が数倍違うことがあるため、相場という言葉に寄りかからず、必ず自分のケースで見積もりを取ってください。
| 確認したい項目 | 備考 |
|---|---|
| 施術費 | 術式の組み合わせによって大きく変わる |
| 麻酔費 | 局所麻酔・静脈麻酔で別建てのことがある |
| 術前検査 | 血液検査などが別途 |
| 薬代 | 抗生物質・鎮痛薬・目薬など |
| 術後の通院 | 回数と費用の扱い |
| 修正が必要になった場合 | 保証の有無・期間・条件 |
広告に表示されている金額が最小構成のものであることは珍しくありません。総額での見積もりを書面で受け取ってから判断してください。
極端に安い価格を掲げている場合、麻酔・薬代・アフターケアが別料金になっていたり、当日に上位の術式をすすめられたりすることがあります。「モニター価格」「今日だけ」といった条件を提示されたときは、その場で決めず、適用条件と通常価格を書面で確認してください。
ダウンタイムの経過
経結膜脱脂の場合、皮膚を切開する方法と比べるとダウンタイムは短い傾向にあります。ただし、まったく腫れないという意味ではありません。
- 術後すぐ〜2日ほど:腫れがもっとも強い時期。冷却の指示が出ることが多い
- 3日〜1週間:腫れが引き始めるが、内出血が出た場合は色が目立つ
- 1〜2週間:内出血は7〜14日程度で目立たなくなっていくことが多い
- 1〜3か月:細かなむくみが取れ、輪郭が落ち着いてくる
ハムラ法や皮膚切開を伴う術式では、これよりダウンタイムが長くなります。回復の速さには個人差があり、内出血の出方にも差があります。大切な予定の直前は避け、余裕をもって時期を決めてください。
目立つ時期をどうしのぐか
内出血が出ると、目の下が紫や黄色っぽく変色して見えます。この時期を乗り切るために、次のようなものを用意しておくと外出のストレスが減ります。
- 大きめのレンズのサングラスや色付きの伊達メガネ:目元を自然に隠せる
- オレンジ系・イエロー系のコンシーラー:青紫の内出血をカバーしやすい色味。ただし術後いつからメイクしてよいかは必ず医師に確認する
- 目元用のジェルタイプ保冷剤(アイマスク型):冷却の指示が出た場合に使いやすい
- 枕を高くするためのクッション:頭を高くして寝ると腫れが引きやすいと案内されることがある


起こりうるリスク
- 腫れ・内出血
- 左右差
- 取りすぎによる凹み(くぼみ目のような印象になる)
- 取り残しによる膨らみの残存
- 感染
- 結膜側の傷による一時的な違和感・充血
- ドライアイ症状の悪化
- 脂肪注入を併用した場合のしこり・凹凸・生着の個人差
- 皮膚のたるみが目立つようになる(脂肪が減ったことで相対的に)
とくに注意したいのが脂肪の取りすぎによる凹みです。取り除いた脂肪は戻せないため、修正には脂肪注入などの追加施術が必要になります。「たくさん取ればきれいになる」という単純な話ではなく、どれだけ残すかの設計がむしろ重要になります。
また、加齢によって皮膚のたるみが進んでいる場合、脱脂だけでは対応しきれず、皮膚側の処理を含む術式が適することもあります。手術に伴うリスクの一般的な考え方については、日本美容外科学会(JSAPS)の情報も参考になります。
クリニックを選ぶときに確認したいこと
ここでは順位を付けず、確認すべき項目という形でまとめます。どのクリニックが自分に合うかは、悩みのタイプと予算、通いやすさによって変わります。
1. クマのタイプを診断してくれるか
診察で目の下の状態を確認し、黒クマ・青クマ・茶クマのどの要素が強いかを説明してくれるかどうか。いきなり術式の話から始まる場合は要注意です。
2. 脱脂だけで足りるかを説明してくれるか
脂肪注入やハムラ法が必要かどうか、必要ならなぜ必要かを、ご自身の目の状態に即して説明してくれるかを見てください。
3. リスクの説明が具体的か
凹み・左右差・取り残しといった、実際に起こりうる結果について具体的な説明があるか。良い面だけを強調する説明は判断材料になりません。
4. 保証と修正の条件が明確か
修正が必要になった場合、どの範囲まで無償で、どこからが追加費用なのか。保証期間はいつまでか。これらが書面で示されるかを確認してください。
5. 総額が書面で出るか
麻酔・薬代・術後の通院まで含めた総額が提示されるかどうか。口頭のみの説明で契約に進むのは避けてください。
6. その場で契約を迫られないか
持ち帰って検討したいと伝えたときの反応を見てください。美容医療をめぐる相談件数は増加傾向にあり、国民生活センターの美容医療サービスに関する相談情報でも、契約や勧誘に関する事例が公開されています。
7. 広告表現に無理がないか
医療機関の広告には医療法上のルールがあり、効果を保証するような表現や、体験談による効能の訴求は認められていません。厚生労働省の医療広告規制のページを一度読んでおくと、広告の見方が変わります。

手術以外にできること
クマの原因が青クマや茶クマ寄りの場合、日常のケアで印象が変わることもあります。
- ホットアイマスク:目元をあたためて血行を促す目的で使われる。使い捨てタイプが手軽
- 目元用の日焼け止め・UVカットのサングラス:色素沈着の要因になる紫外線への対策
- クレンジング時の摩擦を減らす:アイメイク専用リムーバーとコットンでこすらず落とす
- 睡眠時間の確保:血行に影響する生活習慣の見直し
これらで解消しない構造的な影については、手術の検討に進むという順序が現実的です。効果の感じ方には個人差があります。
よくある質問
Q. 経結膜脱脂の傷跡は残りますか?
まぶたの裏側を切開するため、顔の表面には傷が残りません。結膜側の傷は自然に治癒するのが一般的で、抜糸が不要な術式もあります。
Q. 一度受ければ一生効果が続きますか?
取り除いた脂肪は戻りませんが、加齢による皮膚のたるみや骨格の変化は進行します。年月の経過とともに目元の印象が変わる可能性はあり、効果が永久に続くと断定することはできません。
Q. 何歳から受けられますか?
年齢だけで一律に決まるものではありません。若い方では脂肪の突出が主因のケースが多く、年齢が上がるとたるみの要素が加わるため、適した術式が変わります。未成年の場合は保護者の同意が必要です。
Q. 仕事は何日休めばいいですか?
デスクワークで、マスクやメガネで目元を隠せる環境であれば数日で復帰する方もいます。ただし内出血が出た場合は1〜2週間目立つことがあるため、人前に出る仕事の方は余裕をもった日程を組んでください。
内出血の色が気になる時期は、医師からメイクの許可が出たあとにオレンジ系のコンシーラーでカバーする方法もあります。
Q. コンタクトレンズはいつから使えますか?
結膜側に傷ができるため、一定期間の使用制限が指示されるのが一般的です。期間は施設によって異なるので、術前にメガネを用意しておくと困りません。
Q. 脱脂だけと脂肪注入つき、どちらを選ぶべきですか?
目の下の凹み具合や皮膚の状態によって適応が変わります。凹みがすでにある方が脱脂だけを行うと、かえって凹みが目立つ可能性があります。診察で自分の目の状態を確認してもらったうえで判断してください。
Q. 失敗したらどうなりますか?
凹みすぎ・取り残し・左右差といった結果になった場合、修正施術が検討されます。ただし修正は初回の手術より難しくなることが多く、費用も別途かかります。だからこそ、最初のクリニック選びとリスク説明の確認が重要になります。
まとめ
クマ取りは一つの施術名ではなく、経結膜脱脂・脂肪注入の併用・ハムラ法など複数の術式の総称です。外科的なアプローチが向いているのは主に黒クマ(影クマ)で、青クマや茶クマが主体の場合は別の対応が必要になります。
費用は全額自己負担で、術式や施設によって10万円台から100万円近くまで幅があります。ダウンタイムは経結膜脱脂であれば比較的短いものの、内出血が出れば1〜2週間は目立つことがあります。
クリニックは順位で選ぶものではなく、自分のクマのタイプを診断してくれるか、リスクと総額を具体的に説明してくれるか、修正の条件が書面で示されるかという基準で見比べるのが現実的です。複数のカウンセリングを受け、説明の内容を比べたうえで判断してください。結果の出方には個人差があります。


